築100年の母屋を曳屋したいという依頼から始まりました。 昔ながらの伝統工法で建つ母屋を新しく施工した基礎にのせるのは至難の業で、見積もり段階から難航しましたが、母屋に使っていた梁や天井、床、床の間材を再利用することで新しく建て直しました。
古民家再生に近い建物でありながら、断熱面では熱交換換気扇も採用し、エアコン1台で家中快適に過ごせる家を目指しました。 耐震面では、外壁に面材を使用することで建築基準法の1.5倍の強度をクリアしています。
先祖が建てた家を残したいというお施主様の意向に添いながら現代の手法で新母屋を建てることができました。
右上の家が築100年の旧母屋の一部、左上の家が丸山建築で建てた築30年の自宅。お施主様とは長いお付き合いをさせて頂いています。
屋根瓦にいぶし瓦、軒瓦に一文字瓦、外壁にカラー鋼板よろい張りを採用して、和風に仕上げました。
10帖間の天井を8帖間に使用することで再利用し、15尺の床の間材の琵琶台を縮めて12尺の床の間に再利用しました。 座敷の造作に古い材料を使うことで苦労した面もありますが、お施主様には、喜んで頂けました。
書院材や格子付の建具など旧母屋の材料が巧みの技で蘇りました。